こんばんは、トラベルデザインの須﨑です。 前回は「これからの観光には地域の主体性が必要」ということを共有させていただきました。
今日は実際に地域が観光産業をどのように進めていくべきなのか、共有させていただきたいと思います。弊社はこれまで2年間に渡り秋田の皆さんと試行錯誤して観光開発を実施してきました。そこでわかった観光産業の進め方3ステップです。
【観光産業の3ステップ】
観光産業は商品を「作って」「売って」お客様を「受け入れる」の3ステップで成り立っています。 とても当たり前のことのようですが、ここから様々なことが整理できます。
【既存の観光と地域主体の観光の違い】
例えば前回のアイリスブーム時のツアーと地域が主体性を持った観光産業の違いは何か?
この場合3ステップにおけるプレイヤーが違います。
アイリスブームの時爆発的に売れたのはアイリスのロケ地ツアーでした。そのツアーを「作った」のは韓国の旅行会社さんです。ドラマで放映された田沢湖やスキー場などの見学がパッケージに組み込まれました。そしてそのツアーを「売った」のも韓国の旅行会社さんです。マーケットに精通しているネットワークを活かして販売されました。そして「受け入れる」段階になって、秋田の旅行関係者も一部関わりました。バスの運行や宿、お食事などを提供する側として入ったのです。
しかし、前回ご説明した通り、このパターンではマーケット側の意向が強く、地域にとっては必ずしも良いことだけではありませんでした。
そこで、地域が主体性を持つべきだという意見に移るわけですが、それはこの3ステップでは何を意味するのか?一番の違いは観光産業の「作る」のステップに地域が参入することです。地域が自ら売りたい観光商品を「作る」ことが地域が主体性を持つ最初に一歩です。現在、着地型観光と呼ばれ、各地域でモニターツアーなどが実施されているのは、地域が観光を「作る」ステージに入ったことを意味します。
そして次の「売る」ステップは多様化しています。大きく分けると以下の2つです。
①間接発信:大手旅行会社などへ営業する場合などがこれに当てはまります。
②直接発信:webサイトなどで自らお客様を獲得していく場合などがあります。
地域の現状はどこにあるか? 秋田県内を見渡すと、「作る」ステージにいる地域と「売る」ステージにいる地域と大体半々だと思います。まだまだ「受け入れる」ステージに本格的に移行した地域はほとんどなく、各受け入れ先が試行錯誤している段階だと思います。
観光産業の3ステップ「作って」「売って」「受け入れる」。
とてもシンプルですが、このステップで各観光施策を見ると、その地域の利点・課題が見えてきます。 みなさんの地域は今どのステップにいますか?
次回はさらに詳しく3ステップを分解していきます。