羽後町DMO記事.010

こんばんは、トラベルデザインの須﨑です。 昨日に引き続き、観光産業の3ステップの説明です。 今日は「売る」の《詳細編》を共有させてください。

「売る」ための3つの方法

目的は…

地域の観光商材をマーケットに合わせ編集、お客様に届けること)

①編集

「作る」で集めた各リソースを編集していきます。パンフレットや動画などの作成を意味します。簡単に思えて実際とても難しい項目です。ここで重要なのはマーケットにとことん合わせること。一言に外国人と言っても、国によって、または対象者の訪日回数によって求められる情報は異なります。誰に広報したいのかを明確にしてから編集作業に入ります。

②直接発信

発信方法には2つあります。1つ目は直接マーケットへ届ける方法です。ITの普及で個人が世界と直接繋がることができるようになりました。webサイトやSNSなどを通じて直接マーケットへ発信することができます。直接発信の利点は何と言っても利益率が高くなることです。欠点はマーケットへのアプローチ力が弱いということです。Facebookページなど簡単に始められますが、なかなか「いいね」が増えず継続して広報できないということは良く起こります。

③間接発信

発信方法の2つめは間接発信。こちらはマーケット側に強い企業などとコラボして、地域の代わりに発信作業を実施してもらいます。既存の観光事業と同じ方法で大手の旅行代理店などとのコラボを意味します。利点はマーケットへ必ず届くということです。欠点は地域の持つコンテンツがエージェント主導になりやすい点です。大量派遣・安価・シーズン指定など求められることがあります。

「売る」×「マーケット目線」

商品を売る時、マーケット目線が必要であることは誰もが認識していることだと思います。しかし、実際に実行してみるととても難しいことが分かります。地域内で頑張って作ったものをいざマーケットに出してみると、全く受けず、逆に「こうして欲しい」と想定外の提案を受けることもあります。

そのマーケットを獲得したい場合は今まで考えたことを一旦帳消しにしなければいけなくなるかもしれません。もちろん、そのマーケットには手を出さないという判断もあります。また、今まで一緒に考えてきた地域の範囲がそもそもマーケットに合わないこともよくあります。

例えば、秋田の商材を集めて世界の旅行会社に流したところ「東京から秋田を周る全10日間を組んでくれる?」など対応していなかった範囲を求められることは多々あります。

基本的に地域の観光開発を実施する単位は市町村です。しかし、これはあくまでも地域の都合でしかありません。各市町村は「なんとか宿泊して欲しい」と施策を組みますが、実際は隣接する宿泊施設の方がお客様に合う。そんな時、隣接市町村とすぐにコラボができるでしょうか?地域にとってこの判断は意外に難しいのです。

本気で売ることを考えた場合、マーケットに合わせる判断が確実に必要になってきています。

観光施策の目的は地域活性化です。しかし、いざ本気で売り出す時は『お客様の為』を考えて、行動できるかどうかがキーになると考えています。

次回は「受け入れる」のお話を共有させてくださいませ。

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