【「作る」ステップは地域が主役】
「作る」の詳細はこちら 「作る」ステップでは地域の資源を再度見直し、ストーリーを整理整頓し、実際に実施できる体験内容や商品をどんどんリスト化してく作業です。最近、DMOが各地域で行っている地域のみなさんとのワークショップでブレインストーミングをして、リスト化していく作業がまさに「作る」ステップに当たります。この際、主役は地域のみなさんです。地域が何を持っていて、今生きている人が何を提供出来るのか?提供したいと思っているのか?地域のみなさんが集まって、地域の魅力を整理整頓するのが「作る」ステップです。 しかし、これだけでは絶対に売れません。どれだけ「作る」ステップを繰り返しても売れることはありません。セミナーで質問してくださった方の『虚無感』はここにあります。
【「売る」ステップはマーケットが主役】
「売る」の詳細はこちら 「売る」ステップの最初のステージを見てください。「編集」とあります。これまで「作る」ステップでリスト化されたものはあくまで地域の整理整頓です。「売る」ステップに入って、初めて本格的に外へ持っていくものを作っていきます。 ここで重要になるのは「マーケット」を確定するということです。地域にある資源に合うマーケット、なんらかの理由で誘客しやすそうなマーケットなど、選択基準hがいろいろありますが、とにかく「どこの、誰に売るか」決めないと「売る」ステップはスタートできません。 あたりまえのことですが、実はここが地域にとって難しいでです。理由は大きく2つあります。
①地域内にマーケットに詳しい人がいない
地域の中で「どこに売る?」と議論していてもなかなか答えは出てきません。なぜなら、マーケットに精通している人がほとんどいないからです。だからこそ、マーケティング調査が重要になるのですが、そういった経験も少ないのが実情で、地域内の議論ではあまり話題にあがってこないことすらあります。
②どこかで、やっぱり、地域目線を消せない
例えば、マーケティングを実施してターゲットを確定できたり、マーケットとすでに繋がりがあるなど、ターゲットを確定できたとします。そのターゲットに100%合わせることができれば売れる可能性はぐんとアップするのですが、そんなに簡単にはいかないです。 例えば、ターゲットが超高級層・日本に何度も来るビジネスマン、その家族とした場合、地域にある高級旅館を前面に押し出すことは正しく思えます。逆に、地域にある三セクの温泉宴会施設はターゲットに合わないような気がします。その時、DMOは地域のコンテンツリストから取捨選択することができるか?マーケットのことだけを考えれば、取捨選択が素直に可能です。しかし、実際、地域ではこれが難しいんです。 地域みんなでDMOなんだから、みんなでアピールしましょう。 こういった意見が出てきます。 結果的に全ての宿を載せて「〜〜〜市まるごと体験」パンフレットができあがることが多いです。
【「作る」から「売る」への移行が必要】
「作る」ステップは地域資源の棚卸しです。地域内、できるだけ広く、資源を収集し、整理整頓することが必要です。どれだけ綺麗にまとまっているかは地域にとって大きな価値になり、急にくるチャンスへの対応力もアップします。 「売る」ステップはマーケットへのアプローチです。決めたターゲットに合うコンテンツを「作る」で得たリストから、選んで、編集して外へ出していきます。その際、マーケットに合わない地域コンテンツは出さないという選択もありうることをDMOの中で明確にしておく必要があると思います。 *もちろん、マーケットに迎合するという意味ではありません。どんなターゲットに売るかという選択肢は地域にあります。そのターゲットを決めないと物事が進まないという意味です。 次回は地方都市のDMOがターゲットにしているマーケットを紹介していきます。