里山とは?
里山とは、自然と人間社会が交わる場所のことです。日本の自然は、適度に人間の手が入ることで自然と人が一体になっています。里山は、大自然に囲まれているように見えますが、実際は、あらゆる面で人が工夫して生きているのです。里山に住む人々が、田んぼや川の手入れをして、作物や山菜の栽培をできる環境を保っています。野生動物や植物などはそのような里山の環境で暮らすのに最適です。人と自然が共存する場所、それが里山です。
里山キッチンとは?
里山キッチンでは、日常生活で育まれてきた様々な里山文化の知恵や技術を学べるプログラムです。今回教える達人は、里山に住む人達です。プログラムの期間はシーズンごとに変わりますが、このプログラムには、年中申し込み可能です。
”春”の里山
里山に住む人々は、春の訪れを常に待ちわびています。長い冬が終わると、里山の雪はとけ、緑に囲まれます。山の中では、栄養価が高い山菜が見られます。山では、ばっきゃ、タラの芽、ゼンマイなどが採れます。静かな川のまわりでは、野生のワサビも見つけることができます。山菜は、毎年同じ場所で成長しますので、地元の人たちしか知らない内緒の場所となっています。採ってきた新鮮な山菜は、茹でた後に醤油などにつけて食べることが多いです。
“夏”の里山
短い夏の期間中は、羽後町では最も忙しい時期となります。特に8月には、年に1回の重要な行事、日本三大盆踊りの1つでもある、西馬音内盆踊りが行われ、多くの人たちが賑わいます。そんなまばゆい季節には、里山の植物や野生動物も活発になり生き生きとしています。5月から6月にかけて植えられた稲は大きくなり、あたりは一面緑が広がります。お側では子ども達が水遊びをして楽しんだりしています。夏に開催される里山キッチンでは、山の渓流で時間を過ごすこともできます。イワナやヤマメを釣ることもできます。魚は日本人にとって、古くから貴重なたんぱく源として親しまれてきました。とれたての新鮮な魚はその場で焼いて食べられます。
“秋”の里山
秋は「祝福の季節」と呼ばれ、農作物が収穫される時期です。山ではキノコ、田んぼからはお米が収穫されます。羽後町では、古くから伝承する農法でお米を育てます。収穫されたお米は、木材や竹で作った「はさ」に、束ねて天日で乾燥させます(このやり方を「稲架がけ」と呼びます)。秋の里山キッチンでは、生徒が収穫したばかりの新鮮な食材で調理したり、冬の保存食の作り方を学びます。
“冬”の里山
羽後町の冬は、非常に寒く、2メートルを超える雪に覆われています。そんな時、里山の人たちは、どんな暮らしをしているのでしょう。里山の人たちは、秋までに収穫を終え、事前に準備していた保存食を使って様々な料理を作ります。里山の人たちは、秋に収穫された新米で仕込んだ日本酒を楽しみます。また、羽後町では、最も寒い2月に伝統的な結婚式が行われます。冬の里山キッチンでは、料理を覚えたり、地域の伝統的な結婚式の行事に参加することで、里山の冬の暮らしを学びます。