旅人 #001 メルビン・コッパレ のドキュメンタリー

メルビン・コッパレ - 旅人 #001

旅のテーマ:
日本文化と舞踏

ミッション:
1. 舞踏への理解を深める
2. 日本で舞踏公演を行う

フランス ノルマンディー生まれ、ブルターニュ出身。幼少期より日本文化に慣れ親しみ、合気道とカンフーを嗜む。大学時代に舞踏に出会って以来、土方巽・カルロッタ池田・麿赤兒・天児牛大らの影響の下、独自の舞踏を模索。武道・歌舞伎・インドのカタカリやモヒーニーアッタムといった伝統舞踊にHipHopと垣根を超えたダンスが評価され、活動拠点のレンヌ市で徐々に名声を広げる。2016年よりIzanamiカンパニーを主宰。

歩き始める前から日本文化に惹かれていた。もしかしたら前世は日本人だったのかも、と思うほど、不思議に惹かれるんだ。

旅のデザイン

私たちがメルビンとコンタクトを取り始めたのは、彼の到着の3週間前ほどから。円滑なコミュニケーションと信頼を築きながら、いくつかの特殊な旅のリクエストが見えてきた:ベジタリアン対応であること、観光的なものは避けること、そしてメルビンの舞踏にとって大事な場所の数々を訪れること(歌舞伎座、神社仏閣、化粧店など)。彼の声を踏まえた上で、都市・東京と田舎・秋田が互いを照らし合うような旅をデザインした。

Day 0:はじめまして日本

12時間にわたるフライトを経て、メルビンは成田空港に到着した。そのまま初日は、古き良き下町・柴又の民泊で一息。どうやらうずうずした様子だったので、そのまま浅草でお寺を巡り、渋谷でビルの群れに囲まれる1日となった。

この渋谷の交差点で踊りたい。人々の波とビルの群れに囲まれて、このちっぽけな自分を、そしてこの巨大な都会のエネルギーを、踊って全身に取り込みたい。

Day 1:東京舞踏ツアー

日本の首都への軽い挨拶が住んだところで、いよいよ舞踏ツアーの始まり。舞踏の創始者・土方巽の書生を訪れに慶應大学アートセンターへ、舞踏家・大野慶人のワークショップに参加しに横浜へ、そのまま歌舞伎座で念願の歌舞伎を観覧し、新宿では日本のアンダーグラウンドを体験。一日に詰め込むにはちょっと多いけれど、夢にまで見た一日となったようだ。

日本人のダンサーたちは、音楽とともにすぐに動き始めていた。自分の舞踏は、まず身体が感情でひたひたになるまで待つんだ。待って、それから自然と動き出す。

Day 2:秋田にて田舎に出会う

都会の喧騒から離れること約4時間、気がつけば雪の世界にいた。秋田県は日本でもっとも少子高齢化の進む田舎であり、偶然にも舞踏の創始者・土方巽の故郷でもある。羽後町田代村地区では鎌鼬美術館を訪れ、土方と舞踏の理解を深めたメルビン。その足で今後1週間を過ごす農家民宿格山へとおもむき、御膳いっぱいのご馳走と田舎の人々のおもてなしに初めて触れたのであった。

秋田にきて、すぐに東京との違いを感じた。もちろん快適なのは東京の方かもしれない。でも、秋田では本当に自分がここにいることの意味を感じるみたいだ。

Day 3:先生に会う

慣れない早起きに山ほどの朝食で1日を始めたメルビン、この日から舞踏家・小林嵯峨氏とのワークショップが始まる。土方の弟子でもある彼女の一挙一動に耳を澄まし、動きの一つ一つをおうメルビン。その後は地域のお寺へと訪問し、お抹茶のたてかた・座禅の組み方・お今日の読み方を教わった。

日本では全てが違っているから、全てを学ばなくちゃならない。そして日本のルールについて学ぶことは、僕にとっては自分自身への理解を深めることなんだ。

Day 4:フランスの舞踏を見せる

この日の朝はメルビンが率いる、フランス流舞踏ワークショップが開催された。異なるメソッドや身体の使い方を、参加者の舞踏家の方々は楽しんで受け入れたようだ。午後には羽後町に700年前から伝わる亡者踊り「西馬音内盆踊り」を教わることに。

これは、僕が一日体験して覚えるような踊りじゃない。毎日毎日稽古を重ねて、少しずつ身体で学んで身についていく踊りだ。

Day 5:お酌を交わす

動き回る日々に少し疲れ気味の様子のメルビン、この日の午前は小林氏と休みながら言葉を交わすことにした。回復したメルビンは午後には藍染ワークショップで職人の技を目撃する。夜には居酒屋で地元の人々からお酌を教わり、「もう一つの日本」を体験した。

お酌の交わし方を学んだんだけれど、この酒文化はただお酒を飲むんじゃない。自分の人生の一部を、初めて会う人やもう二度と会わないかもしれない人と共有することなんだ。

Day 6:雪原の舞踏

メルビンと小林氏は翌日の舞踏公演に向けて、舞台の詳細を稽古で詰めていった。昼休憩で羽後町名物・西馬音内そばの打ち方を学んで一息ついて、「雪の上で舞踏がしたい」と言い出した二人。急遽撮影場所を探し、稲架の群の前で一発勝負の舞台が始まった。

雪の上で舞踏をする前に自分に言い聞かせた、「これが人生最後の日かもしれない、一発勝負だぞ」と。そして僕たちはやりきった。嵯峨さんは僕を受け入れてくれた。

Day 7:受容

旅の最終日、メルビンと小林氏は秋田市で開催された「第61回土方巽生誕祭」にて舞踏公演をさせて頂く機会に恵まれた。初めは奇妙な出で立ちの外国人を訝しがった観客も、彼の舞踏を盛大な拍手で受け入れた。そしてやってきた別れのとき、メルビンは小林氏にまた必ず日本に戻ってくると約束し、二人は別れを告げた。

この旅で自分の舞踏がどれほど変わったかなんてわからない。自分が変われば、舞踏も変わる。舞踏は自分自身の延長線なのだから。

旅の終わり

旅の終わりから既に2ヶ月近くが経過した今、メルビンはフランスで修士論文の執筆に励んでいる。帰国後に旅の振り返りをする中で、興味深い気づきがあったようだ。「どうやら僕の求めていた問いは『舞踏とは何か』ではなく、『自分は一体誰なのか』ということだったみたいだ」。これからメルビンは舞踏の枠を超えて、自らのダンスの表現を突き詰めていくという。そして必ず日本にくると言い続けるメルビンにとって、舞踏の里を訪ねる旅は決して叶えられた夢などではなく、彼の物語の始まりであったようだ。

 

食べる

そば打ちの技に出会う

通年・2時間・1〜15人・¥3500/5人前
手打ちそば教室 悠遊そ
〒012-1100 羽後町南西馬音内313−4
0183−62−5009

ふるさとの味・納豆ラーメンで温まる

レストラン結心
11:00~14:00・火曜定休・¥700〜/人
〒012-1241 羽後町田代字梺114-1
0183-67-2120

冬の里山キッチンに入り込む

通年・3時間・1〜10人・¥3000/人
かやぶき山荘格山
〒012-1241 羽後町田代字梺61
090-7063-7341

小さい蔵で発酵に触れる

通年(平日のみ)・1時間・2〜6人・¥1500/人
羽後麦酒
〒012-1131 羽後町西馬音内本町109 旧みそ蔵棟
0183-56-7890

お抹茶と精進料理で心を整える

通年・2時間・1〜10人・¥1500/人
地蔵院
〒012-1352 羽後町中仙道小森出25
0183-68-2029

お酌文化を体験する


あうん
17:30~23:30・日曜定休・¥2500〜/人
〒012-1131 羽後町西馬音内上川原2−6
0183-62-0738

感じる

鎌鼬美術館で土方に出逢う

冬季休業・土日祝のみ開館・10:00~16:30
¥300/人(高校生以下無料・団体割引あり)

*5名〜の団体は休館日でも対応可能
〒012-1241 羽後町田代梺67-3
0183-62-4623

座禅で時の流れと向き合う

通年・1時間・1〜10人
地蔵院
羽後町中仙道小森出25
0183-68-2029

西馬音内盆踊り体験で亡者踊りに触れる

7、8月以外・2時間・1〜10人・¥3000/人
羽後町観光物産協会
〒012-1131秋田県雄勝郡羽後町西馬音内字中野200
0183-55-8635

田代の冬を遊びつくす

冬季(1〜3月頃)・2〜人・¥1500〜/人
阿専 or 五輪坂スキー場(人数に応じて)
中川華子
090-3368-5403

藍染体験で偶然の美を探る

8月以外・3時間・3〜5人・¥3000/人
赤川呉服店
羽後町西馬音内本町44
0183-62-2107

休む

道の駅うご端縫いの郷


駐車場・多機能トイレ・シャワー・授乳室・休憩スペース・無料WiFi 24時間利用可能
観光案内所 9:00〜17:00
館内施設:直売所・ダイニング・カフェ・ジェラート屋
〒012-1131 羽後町西馬音内字中野 200
0183-56-6128

鈴木家住宅


通年・素泊り¥15000/人(4〜10月)
¥10000/人(11〜3月)
定員7人
〒012-1136 羽後町飯沢先達沢52
0183-68-2913

阿専 asen


通年・定休日:水・木
素泊り¥5500 朝食¥1500 夕食¥2000
定員5人
カフェ定休日:木・金(冬季休業)
〒012-1241 羽後町田代字尼沢140
080-5843-8099

農家民宿 りら

素泊り¥4500 朝食¥1000 夕食¥1500
定員4人
〒012-1115 羽後町足田字 福島60
080-1835-9688

五輪坂温泉 としとらんど


¥8,640(2食付)
ログハウス貸切 ¥12000
定員112人(別館含む)
〒012-1115 羽後町足田字五輪坂下43-4
0183-62-4126

かやぶき山荘 格山

貸切¥15000
定員5人
〒012-1241 羽後町田代字梺61
090-7063-7341